設置準備3日目/2006年10月15日(SUN)


今日は、モンゴルのパオを寄贈して下さった、大島さんがみえた。大島さんは、中央分水嶺を竜飛岬から南端の関門海峡を目指し、旅を続けています。また、登山やトライアスロンに挑戦しています。地域では、避難所運営委員をしていて、カメパオの活動を理解して頂き、「みなさんなら役立てて下さるでしょう」とパオを寄贈して下さいました。大島さんには、モンゴルのパオの組み立てを指導していただきます。今日は、神谷君、美保さんも加わり、昨日からのメンバーと合わせ、10名で作業にかかります。
10時、モンゴルのパオの組み立てを始める。まず、準備しておいた床板の上に、端が20センチほど立ち上がっている円形の帆布を敷く。柳の木で出来た、蛇腹構造の壁部材3組を開き、円形の壁にしていく。蛇腹の接合部はラクダの腱が使われていると大島さんに教えてもらう。蛇腹を構成する柳の木は、ノコギとナイフで仕上げた荒削りな部材で、一つとして同じ形の物はない。



入り口の枠は、上下の部材に臍が彫られていて、左右の部材を差し込み、長方形の入り口枠を作ります。入り口の枠は、蛇腹の壁と紐で結び固定します。パオの形や水平を調整しながら、円形に広げた腹の周囲(上と下2カ所)に紐を回し、入り口の枠にしっかり結び、締めていく。紐の締め具合で形やサイズが変化します。屋根部の形状に合わせ、調整していきます。




屋根の骨組みを組み立てる前に、壁の高さの調整と水平を確かめます。天窓を立ち上げ、壁の四方から天窓の穴に向け、棒を差す。紐の付いた棒の先を、蛇腹壁上部の又に乗せ、紐を引っかけ,ねじって固定する。絶妙なバランスで組み立てていく作業ですから、4〜5人いると作業がし易いでしょう。入り口上部の4本の棒は、入り口上枠の溝に入れ、固定します。また、他の棒に比べ10センチほど短く、紐は付いていません。入り口上部は、他の棒の勾配より浅く、屋根の形が微妙に変化し、美しい。これでモンゴルのパオの骨組みは完成す。




完成した骨組みの上から、帆布を被せていく。帆布を被せたパオは、帆布の重さで骨組みが締まり、強度を増します。さらに帆布の周りを紐でしっかり縛り固定していく。モンゴルのパオの完成です。帆布を被った外からの印象とは違い、帆布を通した光は柔らかく、天井に広がる朱色の骨組みを温かく映し出します。自然の枝振りを想像してしまうような、柳の蛇腹壁と合わせ、パオの中は、居心地のいい空間です。12時過ぎ、みんなで昼食。




1時過ぎ、アゴラの縁側とモンゴルのパオを行き来する通路(カメの「首」部)の設置作業を始める。「首」部は、前回のカメパオ化で使用したかまぼこ型の塩ビ菅にネットを張った物を使います。原田君と櫛田さんは、縁側の外側に「首」部を取り付けるための木枠と外に降りるためのステップを塗装。前回はライトグリーンに塗られていましたが、今回は白いペンキで塗りました。木枠の塗装が乾く間に黄瀬君は、パオの帆布に撥水スプレーをかけ、涌井さんは、帆布の解れを修理していました。美保さんは今回のカメパオ化の様子をホームページにUPするため、準備を始めていました。3時前、大島さんが帰られる。今日は一日あがとうございました。
3時過ぎ、アゴラの生徒が家族と一緒に訪れる。しばらく段ボールパオの中で楽しんでいました。
3時半過ぎから、「首」部の通路、取り付け。縁側の木枠とモンゴルのパオの入り口枠に紐縛り固定する。今回は庭の東西にぬけられるよう「首」部の中央のネットを2カ所切り取出入り口を作った。東西の行き来と庭からモンゴルのパオへ出入り出来ます。また、アゴラの室内へも出入り出来ます。最後に、アゴラのこどもたちが塗装した敷き板を置き、4時少し前に「モンゴルのパオとアゴラのカメパオ化」の作業は、終了しました。
皆さん、お疲れさまでした。

4時近く、辻さん親子が見える。大学生になった慶子ちゃんとは、9年ぶり。ベニヤのパオは知っていましたが、段ボールパオは初めて、どうでしたか?又遊びに来て下さい。4時半過ぎ、原田君はお母さんと、櫛田さんはご両親と帰る。2日間のカメパオ化の作業、お疲れさまでした。

5時、黄瀬君、涌井さん、大塚さん、黄瀬君の車で京都へ帰る。3日間、ほんとうに、お疲れさまでした。

京都の皆さんが帰った後も美保さんは、kamepao webへの今回のレポートupのための作業を続ける。アゴラのキャンプでも彼女には、お世話になっています。今回はレポートを3月まで続けますので終了までお世話になります。よろしくお願いします。7時前、美保さん最初のページup。お疲れさまでした。7時過ぎ、神谷君、美保さんは浜松へ、渡辺さんは仕事のため藤枝へ、私は島田へ帰ります。
皆さん、お疲れさまでした。

子どもたちは、モンゴルのパオと、段ボールカメパオをどう使うか?人形は?こどもたちの使いこなしを見守って行きます。(S)






<モンゴルのパオとアゴラの「カメパオ化No.2」の装備品>

・ぬいぐるみ人形
中原さんの提案でカメパオの中に入れるモノとして"ぬいぐるみ"案がありました。昨年の夏から、京芸の院生、涌井さん、卒業生の土井さんと中原さんの3人で、土井さんの勤める児童館に2体のぬいぐるみ人形を置き、こどもたちの反応や様子を確かめてきました。こどもたちは、パポ、パプ と名前を付け、今も京都の児童館で使っています。以前の段ボールカメパオの中には、中原さんの作ったカメのぬいぐるみ、「カメ吉」(こどもたちが命名)がいました。その後、浅田さんが、「カメ子」(かめきちの奥さん)、メロン(子ども)を制作してくれました。この3体のぬいぐるみは、かめきち家族としてアゴラの、こどもに愛されてきています。

今回のカメパオ化では、土井さん、涌井さんがぬいぐるみ人形を制作してくれました。こどもたちは、新たなぬいぐるみにどう接する?名前は?そして、どんなエピソードが生まれるか?楽しみに見ていこうと思います。



・道具箱と素材箱
避難所の中のこどもたちは、限られたスペースと物資で生活しています。地震のショックと合わせ、かなりのストレスが生じているでしょう。自由に遊べない状況の中、絵を描いたり、遊ぶモノを作るための道具や素材は必需品に思います。
今回、道具箱には、市販のA4サイズの引き出し式整理箱1個、小物トレー4個とそれら全てをを収納できる整理箱1個を用意しました。また、素材箱は、緑色と黄色の段ボール箱2個を用意しました。こどもたちの様子を見ながら、必要な物を随時補充していきます。

・引き出し式整理箱 ………… B4画帳、A4コピー用紙
・小型トレーa  …………… ボンド、のり 
・小型トレーb  …………… 色鉛筆、鉛筆、クレヨン、マジック大・小、消しゴム
・小型トレーc  …………… カッター、はさみ、ホッチキス、ガムテープ、ビニールテープ
・小型トレーd  …………… 折り紙、輪ゴム、割り箸、ストロー
・緑色段ボール箱 ………… 涌井さんの置いていった布 (針、糸などの裁縫セットも入れます)
・黄色段ボール箱 ………… 毛糸(簡易機織り畿ー子どもの制作した物)




CONTENTS
Progress Report [1]
2006年10/13〜10/31
Progress Report [2]
2006年11/1〜11/30
Progress Report [3]
2006年12/1〜12/31
Progress Report [4]
2007年1/1〜1/31
Progress Report [5]
2007年2/1〜2/28
Progress Report [6]
2007年3/1〜3/31

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