HOME > Projects > KP15: Kamepao ver.1.5 Kamepaonization |
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1998年 7月29日 - 8月05日 子ども美術工場Agora (静岡県掛川市)
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くるみ幼稚園でのワークショップ(1996.08.02 - 04)で試みた「カメパオver.1.0」は、「頭パオ」「甲羅パオ」「足パオ」などの各部位が互いに結びつきながら、既存の建物からは自立した状態で形づくられていくカメパオでした。校舎やその他施設などが既に避難所として使用されているという状況の中で、子どものための緊急の居所を作ることができるとすれば、校庭に自立した状態で確保することになると考えたからです。
これに続く静岡県立美術館自由工房でのワークショップ(1997.03.16 - 26)「カメパオver.1.10 冬バージョン ネガカメ」では、「頭パオ」と「足パオ」をそれぞれ独立した状態で美術館敷地内の別の場所に設置することで、一つの部位だけからなるminimumなカメパオを試みました。さらに、移動用に小さな車輪を取り付けた「足パオ」は設置場所を固定しないカメパオとなりました。
そして、「カメパオver.1.5 カメパオ化」では、これまでとはまた別の状態でカメパオを存在させることを試みます。
(以下1998年6月7日ログより)
今年の冬はじめて掛川にある「子ども美術工場アゴラ」に遊びにいったときのこと。民家を改造した教室とその庭先に設置されている頭パオの間を行ったり来たりしながら遊ぶ子ども達の様子を眺めているうちに、頭パオと民家が不思議な関係をつくっていることに気がつく。頭パオは、まるで「第2教室」のよう。そのうち、民家が「甲羅」に見えてきた。
六合東小学校でのワークショップの後、ここにずっと建てられていた頭パオ。カメパオを使いこなすには、いつもそばにカメパオがあることが大切なのかもしれない。そんな子ども達にはかわいそうだったけれど、僕達は頭パオを越冬実験させるために、解体し京都に持っていくことにした。解体されていく頭パオに、子ども達はマジックでさよならがわりの落書きをした。なんとなく名残惜しそう。結局、越冬実験は設置場所の関係で実現しないまま春になってしまった。あれ以来アゴラにはカメパオが消えたままになっている。
渋垂さんから「カメパオ ver.1.5」の提案があった。プランはあのときの印象をより具体的にしたような内容だった。既存の建物を巻き込みながら成立するカメパオ。どこにでも連結して、連結した相手もカメパオ化するカメパオ。
(KN)
* 原文で「カメパオ頭部」と表記していた箇所について、プロジェクトチームでの現在の呼称「頭パオ」に修正しました。2004.01.22 |
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